現在エステで行われている脱毛法

現在はフラッシュ脱毛にシフト

2012年現在、エステで脱毛メニューとして取り扱われている主な脱毛法は以下のとおり。

1.フラッシュ脱毛
2.ニードル脱毛
3.ワックス脱毛
4.その他

圧倒的にフラッシュ脱毛が多く、現在のエステ脱毛の主流となっている。
日本に初めてフラッシュ脱毛機を輸入・販売したのは、東京のスカンジナビア社だったと思う。
1998年当時、プラズマ脱毛と名付けられた機械は、確か1200万程度したように記憶している。
もちろんレーザー脱毛機は医療機関において、もっと前から稼動していたが、当時エステ業界で取り扱っていたレーザー美容機器は、お世辞にもまともと言える様なマシンはなく、初めて実用に耐える脱毛機が出てきたと思った。
高額ではあったが、「大手エステ店でニードル脱毛を全身やれば100万を軽く超える」という時代だったので、エステ店サイドも十分に採算が合うと踏んで、導入に踏み切った。

その後、既存の美容機器メーカーなどが外国から違う機種を輸入して販売を始める。
更に時間が経過すると、自社でフラッシュ脱毛機を製造する会社も出てきて、国産のフラッシュ脱毛機が販売された。
価格は競合もあって徐々に下がり、5年後には平均500万前後になってくる。
それでも脱毛機は高額であるために、エステ店の購入代金の捻出がネックになっていたが、リースの導入により月々の支払いで稼動が可能になったために普及に弾みがついた。

それまでのエステの脱毛は一時的なワックス脱毛を除けば、ニードル法が主流であった。
しかし、この脱毛法は処理法の性質上時間がかかり、施術する技術者の技術の優劣で顧客の満足度が大幅に変わったりクレームを引き起こすなど、問題点も多かった。
確実に処理出来る技術者が施術すれば永久性は確保されていが、ニードル脱毛の技術者の慢性的な不足という背景もあり、経営側としても優秀な技術者の育成・確保にコストがかかり、メニューに入れてないエステも多かった。
医療機関でもニードル脱毛を取り入れていたが、上記のような理由も手伝って、レーザー脱毛機の出現と同時にレーザー脱毛にシフトして行ったが、もちろん医療機器であるレーザーはエステでは使用出来なかった。

そこにフラッシュ脱毛機の出現である。
価格が下がるのと比例するようにエステ店に普及して行った。
脱毛処理の効率性という点から見るとフラッシュ脱毛は優秀で、処理スポットが3~6㎠あり、レーザーの5倍程度の面積がある。
ニードル法は処理対象とする毛を1本ごとに処理するために効率は悪い。
また、前述したように優秀な技術者とそうでない者との効率や結果の差が、あまりにも大きすぎる。
フラッシュの照射は機械の設定をミスせずに、指定されたマニュアルどおりに施術すれば、施術者によって差がでることはほとんどないとされた。
わずかコンマ何秒の一度の照射で、ニードル脱毛法で数時間かけて処理する範囲の毛が処理出来る。
この事実は脱毛メニューを検討しているエステにとっては魅力的だった。
フラッシュ脱毛機エステにが普及していったのは無理からぬことだったと思う。

熾烈な価格競争

エステのフラッシュ脱毛の最大の特徴はその価格にあると思う。
とにかく安い。
女性の両ワキで1回に換算すると数百円になるキャンペーンなど、季節を問わず常に見かける。
業界の内部を知る私でさえ、この料金で経営していけるのかと考えてしまう。
もちろん採算が合うからこその料金設定なのだが、損益分岐点に届いているのだろうか。
さすがに最近は底だろうなぁというプライスが提示されていて、各社の消耗戦もここが限界ではないかと感じる。
最近は男性のひげ脱毛などの料金も下がってきた。

消費者にとっては脱毛料金が安いというのは最大のメリットになるので、喜ばしいことかもしれない。
しかし、それは一定の質が保たれての話だ。
料金を低く設定するために、コストカットは不可欠だ。
脱毛エステでいうならば、設備費(家賃)、人件費(給料)、消耗品費(ランプ交換代、ジェル、その他)、減価償却(脱毛マシン)などが主なコストになる。
入っているテナントビルが駅から遠い・ビルが古いなど、の理由で家賃が安い・・・そういう点でコストカットしても脱毛の効果や施術自体に影響はない。
しかし、人件費を抑えるために人材の確保が犠牲になってはいないだろうか。
また、コストのみを重要視してマシンを選んではいないだろうか。
脱毛機器の安全性と効果のバランスはとても重要だ。
コストカットの犠牲になってはならないと思う。

考えてみれば、本当に価格競争を望んでいる経営者は少数だろう。
どのエステが支持されるかは、最終的には消費者が答えを出してくれる。
その結果は真摯に受け止めたい。

出力と安全性

別のページに書いてあるが、エステ脱毛は顧客に火傷をおわせて問題になると、医師法違反に問われるリスクがある。
肌への障害は何としても避けなければならない。
毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為は許されない。
そこで選択されるのが低出力の脱毛機だ。
どのマシンでもフラッシュ脱毛機である以上、その基本的構造にあまり変わりはない。
各メーカーは、出力の上限数値や冷却機能の有無、キセノンランプの交換発数とコスト、などで差別化を図っている。
エステ脱毛を取り巻く環境を考慮すると、機械の安全性は重要だ。
施術時に火傷を起こしては経営自体が危ぶまれる。
そこで各メーカーは、低出力でいかに効果を出すか、で競っていくことになる。

非常に乱暴な言い方だが、脱毛効果と出力は比例関係にある。
毛から伝わった熱で、毛包内の組織を変性をさせる以上、高出力の方が効果的なのは当然だ。
問題は高出力であればあるほど皮膚表面の温度が上がり、火傷を起こしやすいということ。
そのためマシンに付いる冷却機能は有効だが、その性能が問題なのだ。
2004年に東京都から出された「エステティックサロンにおけるレーザー等を利用した脱毛機の安全性について」という報告書にも脱毛機器そのものに冷却機能をつけるように推奨する一文がある。
私が見た限り、実用に耐えうる冷却機能を持ったフラッシュ脱毛機はPナインぐらいで、後は実用的でないというのが本音だ。
連続照射をすると、ランプから発する高熱に冷却機能が追いついていかないのだ。
もちろんそうでない業務用脱毛器もある。
Pナインの冷却機能には特許があり、他のメーカーが同じような物を作れないと聞いたが、真偽の確認はしていない。

肌の安全は最優先すべき事項だが、脱毛効果が出ないのでは本末転倒だ。
少なくとも顧客が不満を持たないレベルの効果は必要だ。
今回のドクタカ事件を受けて、各メーカーは更に低出力へとシフトしていくと予想される。
消費者は望む結果が得られなくとも、低料金ということで納得するのだろうか。

適法の範囲で営業できるニードルに回帰するのか、
業界全体で統一自主規制や安全基準を作り、105号通知を遵守して、医療脱毛と住み分けて光脱毛を続けていくのか、
それともこのまま現状維持を続けるのか・・・。
もう皆が答えを出す時期に来ていると思うのだが・・・。

最近の傾向として追記しておく。
脱毛効果と出力は比例関係にあると書いた。
これは言い換えれば、脱毛時の安全性と出力は、反比例の関係にあるとも言える。
どんな低出力の脱毛機であっても、ハンドピースの照射口から発光していれば、一応は脱毛処理をしたことにはなる。
その時の出力が脱毛と言えるほどのレベルに達していなくともだ。
何故こんなことを書くかというと、例えばハンディタイプのパーソナルの脱毛機がある。
私も手に取ったことがあるし、実際に使用したこともある。
私のような業務用の脱毛機を何種類も使用してきた者にとっては、正直、消費者が望んでいるような毛の状態にはならないと思う。
まあ値段が2〜3万円の物であれば、購入者もそれほど期待はしていないのかもしれない。
しかし、近年では価格帯が上がり、10万に近くなってきている。
購入者からの不満は出ないのだろうか?

また、一部では安全性を重視するのは大変結構なことだが、単にジュール数のリミットを下げて、その脱毛機が今までになかった新しい脱毛法だとする 機械も出てきている。
ジュールを下げれば肌にかかる負担は当然の様に軽減されるから、結果として安全性が高くなることに異論はない。
しかし、単にジュール数を下げたことには触れないというのは違うような気がしてならない。
脱毛効果と肌の安全性のバランスは、脱毛機器の命であると思う。
この業界には「個人差」というとても便利な言葉があり、そういったことに気づかないユーザーも多い。
肌の安全を確保しながら、より効果の高い脱毛機を販売するのが、私のような立場の人間に課せられた義務だとも思う。
それでも脱毛処理・施術は人間がやることなので、どんなに気をつけていても事故は起こる。
それを処理するのは現場のエステティシャンだ。
また、脱毛効果が出ないなどのクレームの処理もしかり。
バランスの悪い脱毛機を使用すると、最終的に一番辛いのはエステティシャンなのだ。 2013/3/20

上記の単にジュールを下げて安全性を主張する脱毛機について、いろんな方面から聞かれた。
現場サイドで様々な問題が持ち上がっているようだ。
ジュールが低いのだから、当然のことながら脱毛効果が上がらない。
男性のひげ脱毛などでは使えないという声も聞かれる。
それは顧客からのクレームとなって、脱毛処理をする現場のエステティシャンに跳ね返る。
私が一番危惧することだ。
ここではそのマシンを名指しすることはしないが、どういう構造なのかはネット上で情報を収集することで、簡単に理解できる。
そいうことを十分把握したうえで自社で使用しているのか、非熱式脱毛機の時の様に理解しないで使用しているのか・・・。
毛周期の活動期の脱毛照射有効期間にある毛に照射することで脱毛効果を上げる原理は、どの機械であれ不変だと思う。
火傷などの事故を防ぐのは当然だが、脱毛効果を無視するわけにはいかないはずだ。 2013/5/10

ジュールを下げて安全性を主張する脱毛機に関してだが、脱毛処理をしても効果がない顧客に、現場サイドではどういう対応をしているかちょっと調べてみた。
限られた範囲での聞き取りや、人伝えに聞いたことなので、これが多数かどうかは分からないが実際にこういう対応をしているのは事実だ。
結論から言うと、説得するか、2度打ちするか、の2択の様だ。
説得する論旨は、「今眠っている毛を予防的に発毛しないように処理しているのだから、しばらく時間がかかる。当然、活動期にある毛は処理しても効果がない」というもの。
また、マシンが単にジュールを下げただけの物と認識したサロンさんは、機械を替えたり、同じ部位に2度連続照射しているようだ。
前者は問題の先送り、後者はコストと時間の無駄だと思うのだが・・・。
何より顧客の時間や費用を無駄にしていることに、大いなる疑問を感じる。
今はキャンペーン利用で、かなり安価な施術が受けられるので、顧客の機会損失になっているとも思う。
夏も真っ盛り、ムダ毛のない肌を求めて来店された方たちはどう思っているのだろうか。  2013/08/03


Copyright© 2012 duke-r.com All Rights Reserved.